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3月農事メモ

農事メモ 3月



家庭菜園、市民農園利用者向きの野菜栽培情報を毎月配信しています。
日差しが暖かくなり、冬籠りをしていた虫たちも外に這い出てくる頃となりました。菜園での作業も本格的にはじまります。
今月の農事メモは,1.作物を植えつける前の作業、2.今月植え付け適期を迎える作物、3.今月の作業について紹介します。

1.作物を植えつける前の作業
 作物を植え付ける前に、植え付ける場所を整えます。植え付ける場所に土を盛り、周囲より高くして畝をつくり整地をしておきます。肥料、石灰は畑の状態や植え付ける作物の性質を考え、必要であれば準備しましょう。植えつけ直前に石灰や有機質肥料を入れると根が傷むことがありますので、早めに入れ、よく混ぜ込んでおきましょう。

? 畝たて、整地
 土を盛り上げ畝(うね)をつくるのは、水はけを良くするためです。周りよりもわずかに高いだけでも、畝の余分な水は低い方(地中や通路)にはけるようになります。水が抜けたあとには空気の通り道ができて、通気性もよくなります。
 また、畝をつくると野菜を育てる場所と通路が区別されます。植えつけた作物を踏みつけないように畝の上には不用意に立ち入らないのが原則です。通路を作ることで作業スペースができます。
 栽培する野菜の種類や、土地の場所・形・土質などを考えて、畝の幅や高さを決めていきます。水はけのよいところを好むサツマイモは畝を高く、2列植えにする場合や、カボチャ・スイカなどつるが広がるものは、畝の幅を広くとります。
 畝の上はレーキやまっすぐな板などを引っ張ってならしておきます。でこぼこがあると雨が降った時に水分や養分が低い方へ流れたり、発芽や成長が不揃いになります。

? 石灰
 土壌の酸性が強い場合は、アルカリ性の石灰を用いて酸性度を調整します。
 土壌の酸性度は酸度計で測ることができます。園芸店、ホームセンター等で販売されています。酸度はPH(ペーハー)という単位が使われています。PH7が中性、それより数字が小さくなると酸性が強くなり、数字が大きくなるとアルカリ性が強くなります。野菜の種類によって適正な酸度は異なりますが、弱酸性(PH6.0〜6.5ぐらい)に調整しておくとおおかたの野菜に適します。
 ただ、石灰は入れ過ぎて土壌がアルカリ性になると、野菜の生育が悪くなりますので入れる量には注意が必要です。
 また、石灰は化学肥料と同時に撒くとガスが発生することがあります。石灰を撒いた後2週間ほどおいてから肥料を用います。

? 肥料
 タネをまく前、作物を植えつける前の整地作業のときに施す肥料を元肥(がんぴ・もとごえ)といいます。一方、作物の生育に応じて必要な養分を追加で与えることを追肥(おいごえ・ついひ)といいます。
 果菜類や結球野菜のように生育期間の長い作物は元肥と追肥(数回)に分けて施します。この理由は一度に多量の肥料を与えると根を傷めたり、徒長する(茎が間延びし、ヒョロヒョロとした感じになる)からです。
 肥料の施し方は野菜の種類や時期、土の性質によっても異なりますが、施しすぎに注意してください。施しすぎると野菜は軟弱に育ち病気にかかりやすくなります。
 また、動物糞などを施す場合、未熟なものを使用するとガスが発生することがあります。作物の生育に害を及ぼすことがありますので、作付けする直前の投入は避けましょう。
 *施した肥料の量、種類を記録しておくと今後の参考になります。



2.今月植え付け適期を迎える作物
ア)じゃがいも(ナス科)(3月中旬が適期)
? 植え付ける前に
 連作を嫌うので、できれば3年間ナス科の作物が植えられていない場所を選びます。土がアルカリ性になると病気が発生しやすいので、石灰は使用しないか、他の野菜よりも少な目に施します。
? たねイモの準備------たねイモが60g(鶏卵くらい)より大きい場合は、芽が出てくるところ(少しくぼみがあるところ)をつけて切り分けます。切ったら、風通しの良いところで2〜3時間、乾かしておきます。(植え付け後、土の中でたねイモが腐るのを防ぐため)
? 植え付け------畝間60〜70cm、株間30cm前後でたねイモを置き、たねイモの3倍・7〜8cm土をかけます。
? 芽かき・土寄せ-----芽の数が多いとイモが小さくなりますので、土の上に芽が伸びてきた頃に強い芽を1株あたり2〜3本残して株元からかき取ります。
 できたイモが日光に当たると緑化するので、土寄せをします。1回目・草丈が15〜20cmのころに株間に追肥し、畝に沿って通路の土を株元へ4〜5cmの厚さに寄せる。2回目・1回目の土寄せから約半月後に同様に行います。

イ)コマツナ・シュンギク・ホウレンソウなどの葉物野菜・コカブ・ニンジン・ダイコンなど根を食べる野菜(露地で保温しない場合、3月中旬以降が適期)
 生育期間の短い葉物野菜は畑に直接タネをまきます。ホウレンソウ・コマツナ・チンゲンサイなどは1ヶ月〜1ヶ月半くらいで収穫できる大きさになります。
 また、根をまっすぐ下に向かって伸ばす野菜も移植をすると根を傷めやすいので畑に直接タネをまきます。
 春にまくと、とうが立ちしやすいので、とう立ちしにくい品種、または販売されているタネの袋に「春まき用」と書かれている品種を選びましょう。タネをまくときは一直線にタネをまく「条まき」という方法が適しています。条まきにすると、タネの量が節約できるほか、間引きや追肥、収穫などの作業がしやすいというメリットがあります。

<条まきのポイント>
? 畑の準備ができたら、まき溝を作ります。まき溝は深さが一定で、まっすぐにつくることが大切です。細長い板切れや支柱を利用して畝に押し込むことできれいな溝がつくれます。
? タネを小さめの容器に移し替えます。容器に移し替えると畝や通路にこぼしてしまうことが少なくなります。タネをまくときは、容器を手に持ち、畝の前で腰を落して、親指と人差指でタネをひとつまみします。つまんだら、腕を動かしながら、まき溝に指を近づけ指をこするようにずらして、タネを一粒ずつ落していきます。間隔は1cmくらいにします。それ以上詰めてまくと、間引き作業が大変になります。
? タネをまいたら土をかぶせます。かぶせる土の量は「種の直径の3倍」が目安になります。土を厚くかけすぎると発芽しないことがありますから、ふわっと薄くかぶせましょう。 
? 土をかぶせたら、上から手で軽く押さえます。このひと手間によって、発芽の状況がよくなります。軽く押さえることでタネと土が密着し、水やりや雨でもタネが流出しにくくなり、畝の表面も乾きにくくなります。さらに、上からの圧力で土が圧縮するので地下の水分が上昇する効果も期待できます。

*タネまき後およそ1週間程度で芽が出てきます。その後混み合ってきたら生長に合わせて間引きします。春は生育が早いので秋まきよりも早めに間引きます。


3.今月の作業
<エンドウ支柱たて>
 草丈が15〜20cmになる前に行います。エンドウの仲間はアサガオやインゲン豆のように、茎そのものが支柱に螺旋(らせん)を描いて巻きつくのではなく、葉の先の細い巻きヒゲが何かにつかまるようにして巻きつきます。ワラや網、枝のある笹竹などが適しています。竹の枝などを地面に挿して使うか、ワラの場合支柱に縄を張りワラの株元を下にして細い方を1回縄に巻きつけてしばりぶら下げます。周辺で手に入る素材で工夫しましょう。

<トンネルの換気>
 保温のためにビニールのトンネルをかけている場合、晴れて暖かい日には日中のトンネル内の温度が30度以上になることもあります。温度が高くなり過ぎないよう換気に気を付けてください。


4.その他
<秋蒔き野菜の収穫>
 昨年の秋から冬にかけてタネをまいた葉物・根菜類は春暖かくなると、とう立ちし花を咲かせ、実をむすび、タネをつけます。アブラナ科の野菜(ハクサイ、コマツナ、ミズナ、カブなど)は黄色い菜の花をつけます。つぼみや咲いたばかりの花は、まだやわらかくおいしくいただくことができます。菜の花は春先の体調を整える成分も多いので、春の食卓に、鮮やかな彩りを添えてみて下さい。
 また、根菜類はとう立ちすると根の部分もかたくなります。早めに収穫していただいてください。

※今回の農事メモは、家の光協会発行『家庭菜園大百科』を参考にして紹介しています。


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(ファミリー農園運営委員会事務局)
Tel 077ー528ー2757
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  • 登録日 : 2024/03/12
  • 掲載日 : 2024/03/12
  • 変更日 : 2024/03/12
  • 総閲覧数 : 14 人
Web Access No.1713101